東邦銀行陸上競技部の佐藤智美選手が9月5、6日に行われました日本パラ陸上競技選手権大会をもちまして、現役を引退することとなりました。
佐藤智美選手は今後も東邦銀行職員として勤務し、より一層業務に励んで参ります。今日までのご厚意、誠にありがとうございました。東邦銀行陸上競技部は、これからも日本を代表する選手を輩出できるよう努めて参りたいと存じますので、今後とも変わらぬご声援を宜しくお願い致します。
<佐藤智美選手 引退コメント>
先日行われた日本パラ陸上競技選手権大会を持ちまして、引退する事を決めました。世界的にも、そして日本でも年々パラ競技のレベルが上がってきており、自分の年齢、体力を考えると目標に近づける事がなかなか厳しい状況だと思い、引退を決めました。
私は福島県立視覚支援学校(当時は盲学校)の 中等部に通っていた時に、初めて出場した大会で優勝した事をきっかけに陸上競技を始めました。これまで13年間競技に取り組み、毎年当たり前のように試合に出場していましたが、今年は新型コロナウイルス感染症の影響で大会が中止になることが多く、開催されるかわからない状況が続いていた中、無事大会が開催され、最後まで精一杯陸上競技に取り組むことができました。大会開催にあたり、大会関係者の皆様、サポートしてくださいました皆様に感謝いたします。
パラリンピックに出場することはできませんでしたが、世界パラ選手権で日本代表として出場できたことは本当に嬉しかったです。2011年4月に開催されたIBSA世界大会で初めて日の丸を付けて出場した事がとても印象に残っております。同年3月11日に、東日本大震災が起こりました。この時に「今だからこそ、私は何ができるだろうか」という事を考えました。こういう時だからこそ出場し、良い結果を出し明るいニュースを福島に届けたいと思い福島を出発し、100mで銅メダルを獲得したことが心に残っております。多くの方々に応援をしていただいたおかげです。
東邦銀行陸上競技部に加入し6年が経ちました。陸上競技を通して沢山の人と出会い、自分の視野を広げる事ができました。陸上競技に出会う事ができて、とても幸せでした。これまで得た結果は、決して一人では成し遂げる事ができないものばかりです。今までご指導、サポートをしてくださいました監督、コーチをはじめ、チームの皆にサポートをしてもらい、一人ではないという事をたくさん感じました。これまでのサポートに心より感謝いたします。また、職場においても沢山の方々に応援して頂き、それがエネルギーとなり、今まで競技に励む事ができました。今後、陸上競技で学んだ事をいかし、銀行で新たな仕事に前向きに取り組み、社会人として成長していきたいと思います。
これまでのご支援、ご声援、本当にありがとうございました。
<佐藤智美選手>
視覚障害T12クラス
専門種目・自己ベスト 100m(12秒95 T13時)/走幅跳(4m84 T12)
2019年5月~2020年:視覚障害T12クラス
~2019年4月:視覚障害T13クラス
T12クラス 女子200m 日本記録保持者(27秒64)
T13クラス 女子100m 日本記録保持者(12秒95)
2011年 アンタルヤ・IBSA世界大会 T13 100m 第3位
2013年 世界パラ陸上競技選手権大会 T13 100m 第5位
2015年 ソウル・IBSA世界大会 T13 100m 第2位
2017年 世界パラ陸上競技選手権大会 T13 100m 7位 / T13 200m 6位
※IBSA:視覚障害者のみの世界大会