大切なものはそんなに多くない
という、カラーボトルの曲にある一節をふいに思い出す時があります。
だいたいこういう時はいろんなことを考えている時だったりするんですけど、最後の最後にメロディとともにこの一節が浮かんできて、そうだった、本当に大切なことって1つか2つあればいいんだよな、と思えてきます。
迷った時、物事をシンプルに考えられなくなった時、私はなるべくゼロの地点に立ち返るようにしています。ゼロになって、もう一度物事を見つめ直してみると、世の中そんなに複雑にはできてないなって思えてくるんですよね。
勝ち続けることは難しいことだとよく言われます。
なぜ難しいかと言うと、一度勝ってしまうと、ゼロに戻りにくくなってしまうからなんじゃないかなって思うんです。
でも、一度、すべての事情をリセットして、ゼロになって、本当にこの勝負に勝ちたいのかを見つめなおすと、やっぱり勝ちたい、って気持ちが湧いてくるもんです。
・・・生まれながらの勝負好きだからでしょうか(笑)
じゃあ勝ちたいってなって、次はどう勝ちたい?と問いかけてみると、こんな風に勝ちたい、走りたい、という想いがフツフツと湧いてきます。
じゃあそのためにはどうしようか、自分の中で作戦会議が始まります。
もうそうなるとワクワクです。
経験を重ねることはいい時もあるけど、この純粋でシンプルな気持ちが「経験」という曇りガラスで見えにくくなってしまうこともありました。
この積み重なりに積み重なった経験が意外に邪魔をすることが多くて、引退間際はそれをどんどんそぎ落としていくことばかりを考えていました。
どんどんどんどんそぎ落として見ると、自分にとって本当に大切にしていたものがどんどんクリアに見えてきて、その感覚がとても心地よく感じたものでした。
すべてのレースが私にとって最初で最後の1レースなんだって思うようになってから、より試合が楽しみになりました。
私にとって幸いだったのは、身近に原点というかゼロの地点があったということだと思います。生まれ育った福島でお世話になった先生や家族もいて、いつでも陸上を始めた頃の原点に返る場がたくさんあったから迷わず駆け抜けることができたのだと思います。
今、とうほう・みんなのスタジアムで福島県選手権が行われています。
この大会は年に一度、地元のお世話になった皆さんの前で走ることができる、自分にとってゼロの地点を確認できる大会の一つでした。
今年は初めて違った角度からこの大会を見ることができて、それもまた新鮮な気持ちでいます。ただ、「何だ〜今年は出ないのか〜」と、たくさんの方から声をかけていただいて、県選くらいは60歳くらいまで出続けて欲しい!なんて言っていただいたりしますが(笑)
やっぱり私にとって福島県選手権は原点回帰の場所ですね。
故郷の皆さんに応援していただいてきたからこそ今があるんだと改めて感じました。
中学生から大人まで一堂に会して県内一の座を狙う熱い戦いは日曜まで行われています。
ぜひ皆さん、週末はとうほう・みんなのスタジアムへ観戦にいらしてください☆
グランドから見える夕焼けや景色も入学した頃からずっと変わらない存在。
眺めていると自然と落ち着きます。