2014.11.21
すでにニュースではお知らせしましたが、11月1日大安吉日に行われた日本選手権リレー4☓400mR予選にて26年の現役生活に幕を下ろすことにしました。
なんでいま、このタイミングで?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、正直、今までオリンピックイヤーとか自分の記録を塗り替えられたとか、負けたとか、勝ったとか、環境がなくなったとか、そういうことで引退しようと全く思えませんでした。
じゃあ何がどうなったら引退の日は来るのだろう。
・・と思いながらも、もっともっと速く強くなるためにはどうしたらいいかという興味関心が全く薄れることもなく、ケガもなく、元気いっぱい過ぎて、やめる理由もどこにもない!という理由で今の今まで競技を続けてきました。
ただ・・今年6月に地元福島で行われた日本選手権のレースを終えた時に目の前の扉が開いて、次に進む道が見えた気がしました。
ちょうどそれは山を一つ登り終えたような感覚でした。
しかし日本選手権の時にはそう感じたものの、秋のシーズンに向けて、 夏の合宿でもいい感じ、筋肉の仕上がりもいい感じ、走りもコントロールできる感じで、どんどん面白さも増していました。
正直、もったいないなぁっていう気持ちもありました。
実際、走れてきてもいたし、いろいろ試してみたいことは際限なくありました。
でも、引き際を考え出したあたりから、いろんなことがタイミングよく進んでいく感覚があり、やっぱりもう次に進む時が来ているんだと改めて背中を押された気がしました。
私の陸上競技は20年前の「ふくしま国体」の転倒から始まった気がします。
やはり「福島で始まり、福島で終わる」ことが生まれてからずっと福島で走り続けてきた私にとって一番の幕引きなのではないかとも思いました。
引退レースとなったマイルの予選、バトンを持ちながらバックストレートをスーッと駆け抜ける感じがあまりにも心地よく、懐かしい感じがしました。
そして、最後の直線の乳酸の感じ・・・最後まで「あー、400mはやっぱりキツいなぁ」と醍醐味を味わえました。笑
ラストランのレースが行われた日産スタジアムは55秒89の日本記録を出した思い出のスタジアムです。そのスタジアムでまさかあんなに盛大な引退セレモニーをしていただけるなんて思ってませんでした。
その幕引きに向けて、川本監督、銀行の皆さん、 ともにグランドで苦楽を共にした仲間たちにもたくさんのお心遣いやご尽力をいただきました。
私は本当に幸せな選手だなぁと感謝の気持ちでいっぱいです。
中学校から本格的に始めた陸上競技。26年に及びました。もう人生の3分の2もの時間をアスリートとして過ごしてきました。
監督、先輩、仲間、たくさんの方々に支えられて、駆け抜けた競技人生だったと改めて感じます。
そしてこんな歳まで元気で大きなケガや病気もなく最後まで全力を尽くすことができたのは、丈夫な身体を授け、そして大事に育んでくれた両親のおかげだと思っています。
いろんな方々とのご縁、支えがあってこんな歳まで、思いっきり、陸上競技に打ち込むことができました。
皆さま、本当にありがとうございました!!
第二の人生も「限界は天高くに」チャレンジ精神で前に進んでいこうと思います。
ここからが人生の本番!!がんばります。
【引退の記念にたくさんの思いがつまった宝物をいただきました!】
2014.10.20
某自動車メーカーのCM、またはドラえもんの主題歌にも登場する、この言葉が結構好きです。
ドラえもんの主題歌では、
あたまテカテカ、さえてピカピカ
それがどうした ぼくドラえもん。
というフレーズの中に登場。
某自動車メーカーのCM(一部抜粋)では、
がんばっていれば、いつか報われる。
持ち続ければ、夢はかなう。
そんなのは幻想だ。
たいてい、努力は報われない。
たいてい、正義は勝てやしない。
たいてい、夢はかなわない。
そんなこと、現実の世の中ではよくあることだ。
けれど それがどうした。
スタートはそこからだ。
と、前を向く力を後押しするキッカケの言葉として登場します。
それがどうした、ってすごいセリフだと思いませんか。
すべての事情や状況を、有無を言わさず、一気にひっくり返す力を持っている気がします。
これって勝負の世界にも通じると思います。
レース前、足が痛い、体調が悪い、何か不都合があるとします。
でも、スタートラインに立ったら、「それがどうした」です。
圧倒的に力の差がある勝ち目のない選手と走らなければいけないこともあります。
でも「それがどうした」なんです。
私は元々そんなに強い選手じゃなかったので、全国大会でも決勝進出がギリギリで準決勝勝負とか、決勝で下位入賞とか、そういうところから勝ち上がってきました。
強い選手とぶつかる時にはこの気持ちって大事だったな〜って思います。
誰も成し得たことのないことに挑戦する時にも勇気づけられる言葉だと思います。
一見難しいと思われること、大変なこと、事情を話せば諦めてもおかしくないことってたくさんあります。諦める理由もできない理由も探せばいくらでもあるものです。
でも、それがどうした、って言ってしまえば、すべての言い訳を吹き飛ばして、一気に前を向いて走りだせる気がします。
事情を言いたくなるほど弱っている時に人から言われたら突き放されたような気持ちになってしまうかもしれませんが・・・。諸刃の剣ですね。
でも、自分に向かって心の中でつぶやくことができたら、負けん気がグッと引き出されるような言葉だなって思います。
今シーズン、月末の日本選手権リレーを残すのみですが、様々なことを一気にこの言葉で吹き飛ばして、全力で駆け抜けたいと思います!
【秋晴れのグランド】
週末は本当に気持ちのよい秋晴れでした!
高く澄んだ青空を見ていると清々しいですね☆
2014.09.19
最近、インターネットで話題になっているある法則を見つけました。
1.01の365乗=37.8
0.99の365乗=0.03
要するにこのほんのわずかな1%の違いでも、365日積み重ねると良くも悪くもこんなにも歴然とした差になるということです。
積み重ねというのはプラスのことばかりをイメージしていましたが、逆に毎日1%手を抜いただけで、1年経つとこんなにも無くなってしまうんですね。そっちのほうが恐ろしいです・・・。
以前の私は常に一発逆転ホームランを狙うタイプの人間でした。
小学生の頃の夏休みの宿題は常に始業式前のラストスパートで。
定期試験も一夜漬け。むしろ前から勉強してたら忘れちゃう、くらいの勢いで。
高校入試も大学入試も最後の大会が終わってから一気に追い込み。
それで何とか切り抜けてこれたせいか、毎日コツコツ継続して積み重ねる、ということができなかったのかなと思います。そして毎日のちょっとした変化ってなかなか気が付きにくいので、ついつい大きなところを狙ってしまうのです。
大学に入学し、毎日練習メニューをいただけるようになり、初めて「練習を積み重ねる」ようになりました。
最初はその変化にまったく気づきませんでした。
でも数ヶ月経って、あれ?と気づいたのは「試合に出ても筋肉痛にならない」
以前はそもそも練習を積み重ねていないので一発勝負は強いのですが、すぐに脚が疲れて筋肉痛になっていました。
なので、予選・準決勝・決勝とラウンドが続くものには弱かったです。
でも積み重ねたことがなかったので、それが当たり前だとずっと思っていました。
ここで「おお!練習を継続するっていいことあるぞ!」と気づくわけです。
本当にしょうもないレベルからのスタートではありましたが、積み重ねることによって自分の身体がどんどん強くたくましくなっていくのを実感するようになりました。
そして、練習を積み重ねるということは、毎日きつい練習に向き合って乗り越えていく心も必要になります。
こらえ性のなかった私ですが、毎日きつい・・・けど、がんばろう!目標に向かって!と来る日も来る日もやってくる荒波のような練習メニューを前向きに乗り越えていくことで、辛いことに打ち勝つ心の強さも少しずつ積み重なってきました。
そして長い競技人生、一度や二度まぐれで勝つことがあります。
でも誰でも勝ち続けられるかというとそうではありません。
「勝ち続ける」ためには身体も心も技術も積み重ねがモノを言うのだと知りました。
積み重ねって深いですね!!
タイムスリップして高校生の頃の自分にその醍醐味を教えてあげたいくらいです。
「一日1%」
昨日の自分より今日の自分、今日の自分より明日の自分!
ほんの少しでも前に進めるように地に足をつけて、積み重ねの醍醐味を私も味わっていきたいと思います。