昨日まで福井県で開催されていた日本インカレに行ってきました。
青木も触れていましたが、私にとっても日本インカレは何年経っても色褪せることのない思い出ばかりが残っている特別な大会です。
それはきっとスタートラインに立つまでの過程、その場に立てなかった仲間たちの思い、チームを代表する誇り、いろんな重みを感じて戦った試合だからだと思います。
正直、学生時代は日本選手権よりも何よりもやっぱり一番大事な試合はチームを背負って仲間たちとともに戦う「インカレ」でした。
これ以上ないという準備をして、これ以上できないくらい全力を尽くしたからこそ、嬉しさや悔しさ、次へ進む力が猛烈に湧いてくるのだと思います。
そんな熱いインカレには全国各地の大学から応援団が駆けつけ、熱い声援を送っていました。決して近くはない距離を遠路はるばる仲間のために駆けつけ、灼熱の中、声を枯らして応援する姿を見て、毎年いろんなことを思います。
きっとギリギリのところで出場できなかった選手もいるでしょうし、様々なストーリーがこの応援の中にはあるのだろうと勝手に想像しています。
応援してくれている人の気持ちがわかる人ほど、応援を力に変えられるのではないでしょうか。この日本インカレに立つまでにどれだけの人たちが自分を支えてくれたのか理解している人ほど、力を発揮できるのではないでしょうか。
青木がインカレは不思議な力が働く大会だと言っていました。
そのインカレマジックは普通の準備をした人にはやってこないと思います。
仲間の想いやチームの勢いを追い風にできる豊かな心と入念な準備があるからこそ、不思議な力が働くのかなと思います。
今回、東洋大学の桐生選手が日本人で初めて10秒の壁を破り、9秒台に突入しました。
桐生選手、そしてその関係者の皆さんの喜ぶ姿を間近で見ることができ、この4年間の思いと重みを感じました。9秒台を求めて、苦しいことや辛いことを乗り越えたからこそ、こんなにも深い喜びがあるんだなと思いました。
そして私もコーチとして、たとえ選手にとって苦しいことや辛いことがあったとしても、最後には「やってきて良かった」という喜びに辿り着かせてあげられるようになりたいと思いました。
私たちにとってのチーム戦は来週に控えた全日本実業団です。
日頃、応援してくださっている皆さんの思いを追い風にできる選手・チームでありたいと思います。
支えてくださっている方々への感謝の気持ちを忘れずに、最後までしっかり手で水をすくっても漏れのない準備をして臨みたいと思います!
【本日の歓喜】
インカレが行われた福井県営陸上競技場にて。
9秒98が出た時のスタジアムの歓喜の様子です。
スタンドは観客の皆さんでいっぱいで座れないほどの盛況ぶりでした。