選手ブログ

更新履歴

    バックナンバー

    選手ブログ

    一覧

    2021.08.23

    I'm possible

    まもなく東京パラリンピックが始まります。
    東邦銀行陸上競技部からは佐々木真菜が視覚障害T13クラスの100m、400mに出場します。

    ご存知の方も多いと思いますが、パラリンピックは1948年イギリスのストーク・マンデビル病院で行われた車椅子アーチェリー競技会が起源と言われています。第二次世界大戦で脊髄を負傷し、この病院に入院していた兵士たちのリハビリを目的として行われたそうです。
    その競技会を提唱し、後にパラリンピックの創始者と言われるルートヴィヒ・グッドマン博士が兵士たちにかけた言葉が印象的です。

    「失われたものを数えるな、残されたものを最大限活かせ」

    この言葉はパラアスリートだけではなく、私たちにも共通して言えることだと思います。
    私たちは何かを失った時、うまく行かない時、失くしたものやうまく行かない要因に気が取られがちです。
    時には失くしたものを取り返そうと更に無駄足を踏んでしまうことも度々あります。

    長く競技をしていると身体のどこかに痛みがあったり、事前に調整がうまく行かず練習が少し足りなかったり、様々な不安要因を抱えて試合に臨むこともありました。
    そういう時はどうしてもその身体の一部に気を取られたり、できなかった練習を悔やんだりするわけですが、そんな時にハッとします。

    「たった身体の3%が痛いだけで、残りの97%は元気なのに、なぜたった3%に私は気を取られているんだろう」
    「調整の一部がうまく行かなかっただけで、そんなに人間のコンディションがガクッと狂うわけがないのに」

    人間の身体は繊細なようで、そんなに弱くないと思うのです。
    3%痛かったら、残りの97%で勝負をすればいいのだと思えてきます。

    まさに「失われたものを数えるな、残されたものを最大限活かせ」です。

    佐々木は生まれつき目に入る光の量が調節できない無虹彩症という難病を抱えています。
    眩しくてレーンが見えづらいという難しさだけではなく、強い光を浴びすぎると目に痛みが出ることもあります。
    入行して6年が経過しようとしていますが、この6年間の彼女の努力とそれに伴う成長は一人のアスリートとして尊敬に値するものだと感じています。


    今回の東京パラリンピックに出場するアスリートの皆さんは様々な障がいを持っています。
    この舞台にたどり着くまでの努力や葛藤、発想の切り替え方は想像を超えていると思います。

    ソチパラリンピック閉会式の演出で話題を呼びましたが、
    「Impossible(不可能)」もアポストロフィ(')をつけることで「I'm possible(私はできる)」になります。
    一見、不可能なことでも、少し工夫をしたり、発想を変えることで、可能になるのだと思います。

    不可能を可能にして競技に臨むパラアスリートの凄さを東京パラリンピックを通して感じたいと思います。

    そして当行佐々木真菜へのご声援もどうぞよろしくお願いいたします。

    【夏の夕暮れ】
    IMG_6144.jpg

    少しずつ夕暮れの風が気持ちよくなってきました。

    • 大会日程・結果
    • 活動レポート
    • 選手ブログ