2016.04.18
3ヶ月ぶりに日本に帰ってきました。
この3ヶ月の経験は私にとって貴重でかけがえのないものになりました。
目指す山の高さを知るということは大切だと思います。
現役時代、日本記録を出した後に国内で目印になるものがなくなりました。
そこから先は「このくらいの力が必要なんじゃないか」「このくらいの心の強さが必要なんじゃないか」と世界で戦うために必要なものについては想像を膨らませるしか方法がありませんでした。
今回、アメリカの研修にあたっては、本当にたくさんの方々のサポートやご縁のおかげで世界のトップクラスのコーチ、選手たちから学ばせていただくことができました。
今年は特にオリンピックを控えたとても重要な時期。世界中のアスリートがその舞台を目指し、真剣に臨んでいる中、外部の人間である私を受け入れ、チームの一員として接して下さったことにとても感謝しています。
初めてお会いした時、ダレルコーチは「私たちのチームに秘密はない、全てを君に伝えたい」とおっしゃって下さいました。その言葉の通り、多くのことを私に教えて下さいました。試合も練習もウエイトトレーニングも選手とのやり取りもすべてを見せて下さいました。
実際に世界で勝負している人たちというのは、どのくらいの準備をしているのか、どのくらいの情熱を傾けているのか、どんな気持ちで臨んでいるのか、どれほどの厳しさを抱えているのか、自分の目指す世界のスタンダードを3ヶ月ではありますが、間近で見させていただくことができました。
その厳しさや姿勢、そして人間的な素晴らしさに触れ、感動の毎日でした。
アメリカにはアメリカの、日本には日本のやり方があるとは思います。
ただ、実際にトップコーチが努力していること、やろうと心がけていること、に国境はないと感じました。
この感動を、そしてこのご恩は必ず形にしていこうと決意して帰ってきました。
たくさんの越えなければいけない課題はあります。
でもこの経験を絶対に無駄にはしたくありません。
研修最後の日にみんなで最初で最後の記念撮影をしました。
そして選手たちから心のこもったプレゼントやメッセージもいただきました。
その温かい心遣いに涙が込み上げましたが、笑顔で手を振り、グランドを後にしました。
もう一生会えないと思ったらきっと号泣していたと思いますが、そうならなかったのは、必ずコーチとしてこの世界に戻って、またみんなに会おうと心に誓ったからだと思います。
世界中が憧れるに相応しいコーチ、選手たちとの出会いは私にとって大きな大きな転機となりました。
目指すと決めたからには、やるだけです。
Just Do it.
がんばります。
チームのホームグランド。
初心を忘れずがんばります。
2016.03.19
今、私は世界室内が開催されているポートランドに来ています!
世界室内・・・私も一度800mで出場したことがありますが、まだ世界を意識できるほどの力もなく、ただ出て終わってしまった大会です。
(会場はグリーンのトラック!満員の観客!)
室内大会の魅力は何と言っても「トラックと観客の近さ」です。
スピード感、選手の息遣い、表情、すべてがダイレクトに五感に響いてくる感じがします。
演出も室内ならではの趣向が凝らされていて、すっかり没頭しているとトイレに行く間もなく(笑)数時間があっという間に経過してしまいます。
今回、こちらに来て、室内大会の良さをいろんな意味で感じています。
さて、私もアメリカに来て2ヶ月が経ちました。
最初の1ヶ月は見知らぬ土地、知り合いゼロという環境の中、とにかくいろんな人、モノに出会って、見聞きして、吸収して、取り入れて、という繰り返しでした。
その中で「if you want」「it's up to you」はずいぶん耳にしました。
中でも「WANT」の大切さを改めて感じています。
元々、私は「WANT」の塊みたいなところがありました。
ガツガツがんがん欲しかったら狙いを定めてまっしぐら!みたいな。
ただ、社会生活を送る中で社会観念上「〜すべき」という部分が多くなってきていたのかなと反省しました。
社会人としてそれは必要なことです。
でもスポーツは心技体のぶつかりあいです。
まして、陸上競技は身体1つで自身の限界に挑戦するスポーツです。
何が欲しくて、何をしたいのか、を強く、明確に持たないと得ることはできないと思います。そして、決めたのなら必ずそれをやり通す強さも必要です。
なんて当たり前のことを言っているんだと思われるかと思いますが、その程度というか純度の違いをとても感じています。
こちらでお世話になっているチームも来たばかりの頃はスパイクを履き始めたばかりでしたが、もう世界室内でバンバン走るまでになっています。
その切り替えていく様子やコーチのさじ加減も絶妙で、毎日なるほど〜〜と思いながら見させていただいています。
今はこの2ヶ月間の観察を通して集めた「点」がいろんな方面に「線」となって繋がり始めていて、とても興味深い時期に差し掛かっています。
インドアシーズンの結果を踏まえて、アウトドアシーズンに向けてどう改善、修正していくのかとてもとても楽しみです。
残すところあと1ヶ月を切りました。
来たばかりの頃はとても先に思えた帰国の日が少しずつ迫ってきています。
アメリカという国の持つおおらかさと人の温かさに支えられて、素晴らしい研修になっています。自分が思っていたアメリカの印象とは違う部分もたくさん知ることができました。
アメリカを離れることに寂しい気持ちさえ覚える今日この頃ではありますが、一方で早くチームのみんなに還元したいという気持ちもどんどん逸ってきています。
貴重な残りの日々を大切にして、がんばります!
こっちでは基本いつも一人なので、なかなか自分の写真を撮る機会もなく。
通りすがりのカップルに撮影してもらいました・・笑
2016.02.13
実はわたくし、現在、コーチ修行のため単身渡米しております。
テキサス州オースティン近郊に拠点を置きトレーニングしているプロフェッショナルチームにお世話になっております。
こちらに来て3週間ほど経とうとしていますが、一日一日の密度が濃すぎて、日本での日々が遠い昔のことのように感じています。
これまで何度も遠征でアメリカには来ていますし、試合でたくさんのアメリカ選手と走る機会もありましたが、こうして毎日の練習や日常をともにする中で、初めて気づくことがたくさんあります。