2021.01.18
今年は冬らしい冬を過ごしています。
去年はほとんどしなくて済んだ雪かきも毎日汗をかくほどがんばっています。
そして、15時も過ぎれば、徐々に凍結し、走路はアイスリンクになってしまいます。
先日、足の指が妙にかゆいと思ったら・・・しもやけができていました。
もう何十年ぶりだろうって感じです。笑
これが福島の冬だなぁと思いながらも、やっぱり寒さは堪えますね。
小学生の頃、何の教科か忘れましたが、教材に「同じ1月」と書かれて、秋田県と沖縄県の子どもたちの写真が掲載されていました。
かたや半袖でジャングルジムで遊ぶ小学生(沖縄)、かたや吹雪の中、1列になって、集団登校している小学生(秋田)の様子が比較されていました。
本当に同じ1月なのだろうか、と同じ東北人の私は驚いたものです。
実際に大人になって沖縄県に合宿で行くようになり、その気候の違いを肌で感じることができ、その写真はフェイク画像じゃなかったんだと実感しました。笑
寒くて凍える中走っていると、暖かい地域はうらやましいなぁと思い、熱中症になりそうな灼熱の中走っていると涼しい地域はうらやましいなぁと思います。
要はないものねだりなのだろうと思います。笑
パフォーマンスを考えれば、温暖なところで一年中過ごしているのが良いのかもしれません。
でもそれが現実的にできる場合とできない場合があると思います。
10年前、東日本大震災の時に起きた原発事故の影響で、全く練習ができない時期がありました。
当時は放射線量が高く、外での活動が制限されていました。また福島から県外へ来たとなれば謂れもない偏見を持たれたこともありました。
こんな時にスポーツをしている場合なのか、と問答する日々の中、川本監督から「必ず(スポーツができる世の中になって)君たちが役に立てる日が来る。今はそのための準備をしなさい。」と背中を押していただきました。
しかし、非日常を極める福島の状況とは全く違って、世間は何事もなかったように、4月にはシーズンがはじまり、5月にはグランプリ、6月には日本選手権、といつものスケジュールで進んでいきました。当然、準備が整っていない私達は惨敗です。
大変なのは自分たちだけで、スポーツの世界にそんな事情は関係ないのだと身を持って知りました。
言い訳は良くないとわかってはいたことなのに、心のどこかで、福島は大変な状況だから準備不足は仕方ないと思っていたのかもしれません。
でも被災地だからといって、スタートラインを前にしてくれるわけでもなく、スタートラインに立てば、その瞬間に全員が同じ条件になるのだと思いました。
でも、それがスポーツの良いところなのだと思います。
君たちが役に立てる日が必ず来る、と言われた日から10年。
今年、東京五輪・パラリンピックが開催されます。
開催に対して様々な世論があることは承知していますが、開催が予定されている以上、そこに向かって全力で準備をするのが私達の仕事です。そして、このコロナ禍ではできないことは受け入れて、できることを精一杯やっていくしかないのだと思います。
応援してくださっている方々のためにも今できることを精一杯がんばっていこうと思います。
【微妙なとき】
日が暮れだすと一気に冷え込み、濡れていた走路がツルツルに・・・
うっすら氷が一番やっかいです!
2020.10.12
前回のブログから早1ヶ月半。
季節はすっかり秋、そして今年も残すところ2ヶ月半となりました。
まさか2020年がこんな一年になるとは思ってもみませんでした。
嫌なことや残念なこともたくさんありましたが、どうなんでしょうか。
本当にそればかりだったとは思いません。
周りをよく見渡してみると、この状況だからこそ、感動したことや嬉しく思ったこと、幸せに感じたこともありました。
例えば、先日の日本選手権。
陸上仲間たちとの再会、観客の皆さんの温かい拍手、今まで当たり前のことだったことが、こんなに有り難いことだったのだと改めて知った大会でした。
ライバルと競う緊迫感、選手たちの熱気あふれるパフォーマンス、スタジアムにはポジティブな空気が溢れていました。
いや〜本当に陸上っていいものですね、と昔の映画評論家のようなセリフを口にしたくなるくらい、幸せなひとときでした。
「コロナ禍だからできない」ことを視点や発想を変えることで「コロナ禍だけどできる」に変換できた時、今まで疎かにしていたことを「コロナ禍」だからチャレンジしてみようと取り組めた時、何かを乗り越えることができたような達成感があります。
今年は年齢や性別、競技、立場を越えた出会いに刺激を受ける機会が多いです。
スポーツの価値や可能性、そしてスポーツを取り巻く社会の仕組みに至るまで、様々な角度から「スポーツ」「コーチング」を見つめる日々です。
世の中にはたくさんの知見があり、情報があり、素敵な人達がたくさんいるんだなと感動しています。
これもコロナ禍だったからこそ実現できたことかもしれません。
選手は自分の才能を開花させるために人生をかけて陸上競技に打ち込んでいます。
私たちコーチも同様に研鑽を積んでいかなければと思います。
選手の時もそうですが、「これでいい」と思った瞬間に成長は止まると思っています。
常に「もっとできることがあるんじゃないか」「もっとできる!」と情熱を持って、アンテナを張って、力をつけていきたいです。
今シーズンも残りわずか。
前向きに、多方向から物事を見つめて、よいシーズンだったと言えるようにがんばっていきます!
【本日のモクモク】
日本選手権のサブトラックにて。
一点から雲がどんどん広がっていく様子は幻想的でした。
空も考え事してるのかなーって感じです。笑
2020.08.31
暑い。
本当に暑い。
夏ってこんなに暑かったのかな。
○○℃って体温超えてるじゃないか。
と内心つぶやいている今日この頃です。
皆さま、いかがお過ごしでしょうか。
前回のブログ(7月17日)の冒頭は「なかなか梅雨が明けません」でした。
梅雨が明けてからというもの、身の危険を感じるほどの灼熱地獄が続いています。
季節って1ヶ月も経つと全然変わるものですね。
ようやく今日は久々の雨でほっと息継ぎした気分です。
さて、陸上界も徐々に様々な競技会が開催されるようになってきました。
先日は新国立競技場で初めての陸上大会「セイコーゴールデングランプリ」が行われ、選手たちとともにようやく新国立競技場の地に足を踏み入れることができました。
国立といえば私にとって陸上の聖地。
高校1年生で初めて走った時はドキドキしたものです。
以来、インカレや日本選手権で勝ったり負けたりと思い出深いレースを数多く駆け抜けてきました。
新しくなった国立競技場はその思い出のシーンを回想することができないくらい様変わりしていましたが、逆にまるで新しい世界に飛び込んだような新鮮な感動がありました。
来年、この競技場でどんなパフォーマンスが繰り広げられるんだろう、そして、どんな感動を味わうことができるんだろうと、沸々とエネルギーが湧いてきました。
モヤモヤした日々が続いていましたが、ようやくスタートを切れた気がします。
そんなパワーを授けてくれる国立競技場はやはり「聖地」なのでしょう。
コロナ禍の今は、大会を実施するにあたっても、スタッフ・選手・審判ともに1週間前から健康観察とその報告、当日も検温と消毒を徹底して行い、大会が終わっても2週間の健康観察を行うなど、様々な感染予防策を講じる必要があります。
大会を運営する側の皆さんのご苦労たるや相当なものだと思います。
大会が開催されることが当たり前ではなくなっている今、選手たちの「この瞬間」に懸ける気持ちとこの場を提供していただいている感謝の思いが試合を見ていて伝わってきます。
出場した東邦銀行の選手たちの心にも何らかの火が灯ったのではないでしょうか。
やっぱり国立はいろんなことを教えてくれますね。
様々な価値観が交錯する今、いろんな正解があるのだろうと思います。
でもその答え合わせは、ずいぶん先になるのではないでしょうか。
お互いを尊重し合いつつ、思いやりと温かさのある正解を導き出していきたいですね。
先の見えない今だからこそ、限られた機会、時間、空間を大切にして、2020年を作っていこうと思います。
【本日の聖地】
来年、感動をこの場所で。