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    選手ブログ [吉田 真希子]

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    2019.07.26

    ここ数日、ようやく夏らしい青空を垣間見れるようになってきました。
    かと思いきや、夕方になると突然のスコールのような雨。
    気候がどんどん南国化しているように感じるのは気のせいでしょうか。

    先日、岐阜で行われたジャパンパラT13/400mにて佐々木真菜選手が58秒08のアジア新記録を出し、世界パラ派遣標準記録を0.03秒突破しました。
    福島県立盲学校を卒業し、東邦銀行へ入行して4年目のシーズン。

    入行してすぐの日本パラでは62秒33。
    もうかれこれ4秒以上縮めていることになります。
    走る度にどんどん記録を塗り替えていく彼女は「すごい」の一言です。

    今までいろんな新しいことにチャレンジしてきましたが、真菜の口から「できない」とか「無理」という言葉を聞いたことがありません。

    先日も福島県選手権で初めてマイルリレーの1走に挑戦しました。
    通常は渡す側が次の走者との距離感を見て「ハイ」と声をかけて、バトンを渡すのですが、真菜はそれが難しいので、もらう側の選手が「ハイ」と声をかけて、バトンを差し出してもらう形でバトンをつなぎました。

    視覚障害を持つ彼女にとってバトンの受け渡しはとても難しいことだったと思います。
    バトンを持って位置につくこと、走り終えた後に人にぶつからずにトラックから出ること、未知のことだらけで不安もあったと思います。

    ですが、健常者の選手たちと堂々と競い合い、いや、むしろダントツでバトンを持ってきて、しっかりバトンを繋ぎ切った姿は頼もしく感じました。

    私たちは自分が経験したことのない未知の世界にチャレンジしています。
    歩いたことのない道を歩き、道を切り拓いて行かなければ、目指す目標は達成できません。

    自分の僅かな経験値に囚われて、自分の可能性に限界を作ってしまうのは本当にもったいないことだなと思います。食わず嫌いみたいなものですね。笑

    地道な努力の積み重ねと何事にも前向きに挑戦する素直な姿勢が、「レコードガール」と称される彼女の快進撃を支えているのだと思いました。

    今季からT12にクラスが変わり、新たに走幅跳にチャレンジしている佐藤智美選手もそうですが、パラの選手たちにはいつもいろんなことを教えてもらっています。

    東京に向かって、パラチーム共々、お互いに刺激し合いながら、みんなで頑張っていこうと思います!

    【久々の青空】
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    時折、夏らしさが見えてきました。
    梅雨明けも間もなく??

    2019.06.10

    福島も例年より早い梅雨入りとなり、やや肌寒い今日このごろです。

    さて、今年の日本一を決める日本選手権まで残すところ約2週間となりました。
    年に一度の大勝負に向けて、準備を重ねていく粛々としたこの時期の緊張感が私は好きです。

    一歩一歩確実に、でもギリギリを攻めて、大胆さと繊細さが入り混じり、なんともいえない空気感があります。

    日本選手権のレースをイメージするだけで、ついつい気持ちが高まってしまったり、でも今からこんなに緊張してどうするんだ、と逸る気持ちを落ち着かせようとしてみたり。

    そんな風に自分の身体と技術と心を研ぎ澄ませていく体験はなかなかできないことだったんだと、現役を退いた私は羨ましくも思います。

    日本選手権に20回出場しましたが、どの日本選手権もレースの内容だけではなく、それまでに過ごした日々や状況が鮮明に思い出せます。
    それくらい日本選手権は特別な大会なのだと思います。

    時には怪我であったり、絶不調であったり、決していい状態ではなかったこともありましたが、その中でなんとか間に合わせようと試行錯誤した時間も、今振り返れば、得難い貴重な経験だったと思います。

    最後の最後まで自分自身が考えられる限りの準備をして、勝ちに向かって、最善を尽くすことが大切だと思います。
    勝利の女神に微笑んでもらえるような日々を過ごしていきたいですね。

    さあ、今年の日本一の称号を手にするのはいったい誰なのでしょうか。
    東京オリンピックを控え、例年以上に熱気を帯びた日本選手権になると思われます。
    私自身もワクワクしています。

    東邦銀行陸上競技部からは6名の選手が出場します。
    梅雨をも吹き飛ばす熱いご声援を宜しくお願いいたします!

    【本日の一枚】
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    練習へ向かう道。
    緑が緊張感を癒やしてくれています。

    気づけば新緑の季節になっていました。
    グランドの藤の花も咲き、シーズンが始まっていることを実感します。

    福島大学陸上競技場にある藤の花は、昔のマネージャーさんが毎日水をやり、育てて、そのマネージャーさんが卒業された翌年にようやく花を咲かせたという逸話のある花です。
    毎日コツコツと続けることが開花につながるのだと伺ってからは「努力の花」と心の中で名付けています。

    ちょうど藤の花が咲く頃に東北インカレがあるので、いつも藤の花が咲くとこの話を思い出します。

    何事もそうですが、結果というのは花が咲くのと同じで、努力や行動を積み重ねて、満を持して表れるものだと思います。
    結果が出ないときは、まだ咲くだけの準備が足らなかったんだろうなと思うようにしています。

    先週は世界リレーがありました。女子マイルチームも世界選手権出場獲得に向かって奮闘しましたが、力及ばず、残念ながらその権利を獲得することはできませんでした。

    ただ、一人ひとりが世界の舞台で果敢に立ち向かっている姿は、青木がブログで書いていたように、魂を感じました。
    少なくともこの3ヶ月やってきたことが、選手の中に炎として灯っているのだと思いました。
    今日、その壁を突破できなくても、何度も何度も全力でぶち当たって、その壁を肌で感じて、また奮起して・・・その繰り返しでしか、壁を突破することはできないんだろうなと思います。
    そして今、そのぶつかるチャンスが巡ってきているという幸運をモノにしたいところです。

    今回、全力を尽くさなければ見ることができなかった世界との差を感じたことは大きな糧になったと感じています。
    そして私自身も花を咲かせるにはあと何が必要なのかをしっかり見極めていかなくてはいけないと思います。

    今週末は各地で大事な大会が開催されています。
    学生さんは東北インカレ、東邦銀行チームは東日本実業団組とセイコーゴールデングランプリ組に分かれ、各地で奮闘する予定です。

    全力を尽くしてがんばります!

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    グランドに咲く藤の花。

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